中小企業の元気を応援します 愛知県中小企業団体中央会

文字サイズ

県内中小企業景況天気図

県内中小企業景況天気図 2014年度

2014年8月分~天候不順により指標悪化

概況

《全国》

内閣府が9月8日に発表した8月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は前月比3.9ポイント低下の47.4ポイントとなり、4か月ぶりに低下した。消費税率引上げ後の駆込み需要の反動減が幅広い分野で和らいだものの、天候要因の影響がみられたこと等から、総合すると、「景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆込み需要の反動減の影響も薄れつつある。ただし、天候要因の影響がみられるほか、先行きについては、燃料価格等の上昇への懸念等がみられる」とまとめられる。

《愛知県》

こうした中で行われた本会の調査では、製造業の在庫数量は9.8ポイント増加した。しかし、売上高は25.5ポイント、販売価格は7.8ポイント、取引条件は9.8ポイント、収益状況は13.7ポイント、資金繰りは15.7ポイント、設備操業度は15.7ポイント、雇用人員は9.8ポイント、景況感は17.6ポイント悪化した。

 

また、非製造業の販売価格は1.6ポイント、雇用人員は4.9ポイント増加した。しかし、売上高は8.2ポイント、取引条件は6.6ポイント、収益状況は6.6ポイント、資金繰りは6.5ポイント、景況感は11.4ポイント悪化した。在庫数量は不変だった。

 

天候不順・台風による影響もあり、多くの指標が悪化となった。原材料高や燃料高、電気料金の引上げ等の影響を指摘する報告も依然として多く、価格への転嫁も容易ではないことから、収益状況も厳しい。

前年同月との比較

《凡例》

好転

+30≦DI

好転

やや好転

+10≦DI<+30

やや好転

変わらず

-10<DI<+10

変わらず

やや悪化

-30<DI≦-10

やや悪化

悪化

DI≦-30

悪化

売上高 在庫数量 販売価格 取引条件 収益状況 資金繰り 操業度 雇用人員 景況
製造業 やや悪化 変わらず 変わらず 変わらず やや悪化 やや悪化 やや悪化 変わらず やや悪化
非製造業 やや悪化 変わらず 変わらず やや悪化 悪化 やや悪化 変わらず 悪化

《売上高D.I.》

全産業では前年同月に比べ△20.5ポイント(△4.5)となった。産業別にみると、製造業では△21.6ポイント(3.9)となり、非製造業では△19.7ポイント(△11.5)となった。うち、業種別にみると、プラスポイントでは、繊維工業25.0ポイント、鉄鋼・金属22.2ポイントが目立った。マイナスポイントでは、木材・木製品、紙・紙加工品△100.0ポイント、窯業・土石製品△60.0ポイント、食料品、出版・印刷、化学・ゴム△50.0ポイントが目立った。

《収益状況D.I.》

全産業では前年同月に比べ△31.3ポイント(△21.4)となった。産業別にみると、製造業では△29.4ポイント(△15.7)となり、非製造業では△32.8ポイント(△26.2)となった。うち、業種別にみると、プラスポイントでは、運輸業25.0ポイント、鉄鋼・金属11.1ポイントが目立った。マイナスポイントでは、紙・紙加工品△100.0ポイント、輸送機器△66.7ポイント、窯業・土石製品△60.0ポイントが目立った。

《業界の景況D.I.》

全産業では前年同月に比べ△27.7ポイント(△13.4)となった。産業別にみると、製造業では△23.5ポイント(△5.9)となり、非製造業では△31.1ポイント(△19.7)となった。うち、業種別にみると、プラスポイントは、鉄鋼・金属11.1ポイントが目立った。マイナスポイントでは、食料品、紙・紙加工品△100.0ポイント、木材・木製品、出版・印刷、運輸業△50.0ポイント、小売業△41.7ポイントが目立った。

※ ( )は、先月の前年同月比のD.I.値

景況の推移グラフ

業界レポート

《製造業》

【愛知県菓子(工)】

8月は人の移動による売上増を期待したが、消費税増税や天候不順の影響もあり、前年並みであった。原材料の高騰が続き生産コストが上がっているが、価格の値上げを行うことは難しい状況である。

【愛知県高圧ガス(協)】

実績回復が顕著な組合員も何社かあるが、全体では苦戦が続いている。販売量は確かに増加傾向が見られるが、原油高等による調達コストアップ分を含めた価格是正が進んでいない。

《非製造業》

【愛知県セメント卸(協)】

天候のためか、出荷量が前年比88.6%と最低となった。

【愛知県タイヤ商工(協)】

消費税増税前の仮需の反動もおさまり、通常の販売状況に戻ってきたように思われる。トラック・バス用タイヤの売れ行きが悪い。販売価格も安値で上昇する気配がなく、メーカーによって、同じサイズのタイヤで1本あたり4,000円の差が出ている。

【弁天通商店街(振)】

天候の所為ばかりではないが、土、日の度に雨、台風で売上が減少の一途。