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県内中小企業景況天気図

県内中小企業景況天気図 2015年度

2015年1月分~人材不足が深刻に

概況

《全国》

内閣府が2月9日に発表した1月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は前月比0.4ポイント上昇の45.6ポイントとなった。物価上昇への懸念等がみられるものの、燃料価格低下への期待や賃上げへの期待等から、総合すると、「景気は、このところ回復に弱さがみられる。先行きについては、物価上昇への懸念等がみられるものの、燃料価格低下への期待や賃上げへの期待等がみられる」とまとめられる。

《愛知県》

こうした中で行われた本会の調査では、製造業の取引条件は5.8ポイント、雇用人員は1.9ポイント増加した。しかし、売上高は9.8ポイント、在庫数量は4.0ポイント、販売価格は7.8ポイント、資金繰りは2.0ポイント、設備操業度は15.7ポイント、景況感は7.8ポイント悪化した。収益状況は不変だった。

 

また、非製造業の取引条件は1.6ポイント、収益状況は6.6ポイント、資金繰りは1.6ポイント、雇用人員は6.6ポイント増加した。しかし、在庫数量は1.6ポイント、販売価格は8.2ポイント、景況感は8.2ポイント悪化した。売上高は不変だった。

 

原油価格下落の好影響は見られるが、人材不足による単価上昇や原材料の値上げ等により打ち消されている。物価と人件費が上昇する中で、需要や消費は弱く、中小企業の景況に回復感は見られない。

前年同月との比較

《凡例》

好転

+30≦DI

好転

やや好転

+10≦DI<+30

やや好転

変わらず

-10<DI<+10

変わらず

やや悪化

-30<DI≦-10

やや悪化

悪化

DI≦-30

悪化

売上高 在庫数量 販売価格 取引条件 収益状況 資金繰り 操業度 雇用人員 景況
製造業 やや悪化 変わらず 変わらず 変わらず やや悪化 やや悪化 やや悪化 変わらず やや悪化
非製造業 やや悪化 変わらず 変わらず 変わらず やや悪化 やや悪化 変わらず やや悪化

《売上高D.I.》

全産業では前年同月に比べ△11.6ポイント(△7.1)となった。産業別にみると、製造業では△11.8ポイント(△2.0)となり、非製造業では△11.5ポイント(△11.5)となった。うち、業種別にみると、プラスポイントでは、鉄鋼・金属66.7ポイント、その他非製造業50.0ポイント、サービス業18.2ポイントが目立った。マイナスポイントでは、紙・紙加工品、出版・印刷△100.0ポイント、小売業、運輸業△50.0ポイント、窯業・土石製品△40.0ポイントが目立った。

《収益状況D.I.》

全産業では前年同月に比べ△24.1ポイント(△27.7)となった。産業別にみると、製造業では△27.5ポイント(△27.5)となり、非製造業では△21.3ポイント(△27.9)となった。うち、業種別にみると、プラスポイントでは、その他非製造業50.0ポイント、運輸業25.0ポイント、鉄鋼・金属22.2ポイントが目立った。マイナスポイントでは、出版・印刷、化学・ゴム△100.0ポイント、食料品、木材・木製品、紙・紙加工品△50.0ポイント、卸売業△46.7ポイントが目立った。

《業界の景況D.I.》

業界の景況D.I.をみると、全産業では前年同月に比べ△24.1ポイント(△16.1)となった。産業別にみると、製造業では△23.5ポイント(△15.7)となり、非製造業では△24.6ポイント(△16.4)となった。うち、業種別にみると、プラスポイントは、鉄鋼・金属44.4ポイントが目立った。マイナスポイントでは、紙・紙加工品、出版・印刷△100.0ポイント、その他製造業△60.0ポイント、食料品、木材・木製品、小売業△50.0ポイントが目立った。

※ ( )は、先月の前年同月比のD.I.値

景況の推移グラフ

業界レポート

《製造業》

【愛知県製麺工業(協)】

春夏の商談がスタートしたところだが、原材料の高騰で昨年より値上げをしたものの価格に十分転嫁できず、収益性が悪い状況が続いている。

【中日本段ボール(工)】

不需要期に入り、特に1月後半からの荷動きは低調に推移している先が散見される。製品値上げは足踏み状態が続いており、今後の動向が注目される。

【愛知県陶磁器工業(協)】

昨年対比としては大きく変化はないが、大手企業の業績好調により、新たな人員確保が厳しい状況である。総体的には若干の減少、悪化の状態が続いている。

《非製造業》

【岡崎問屋団地(協)】

食品関連では、原材料高により製品の値上げが続いている。しかし、消費を冷やさないため小売価格を抑えようとしてメーカーと小売業の間で板挟みになっている。

【愛知県電機(商)】

昨年は消費税率アップ前の駆け込み需要が出始めた時期であり、前年比80%と大きく落ち込んだが、駆け込み需要がなければ例年並みの数値と推測される。個人の需要は冷え込んでいるが、企業の業績好転により個人の消費動向が上向いてくれば改善すると考えている。