平成19年8月23日名古屋市西区にある愛知県職業訓練会館にて、午前9時30分より「プロ和裁士によるワンポイント講習会」が行われた。講師および指導員は、牧野俊一、西岡弘和、内藤武、河合利政、福井ひとみ、朝倉伸泰が務め、高校の被服関係を担当する教諭13名が受講した。
午前中は、和服の歴史や平面構成の理由、襦袢や軽衫、合羽など外国から渡った衣類を和服に取り入れた日本人の智恵、和服の裁断方法とその意味と仕立て直しについて、地域によって変化する寸法、標準寸法の解説などの講義が行われた。
午後からは実技指導を行い、運針や折りくげ、本ぐけの基礎技術を練習した後、「和裁教本」のテキストを基に、ゆかたの袖や褄先の額縁、衿の指導を行った。
受講者からは、「学校の教科書通りに標を付けていますが、胸高の生徒が着てみると衿がはだけてしまい、とても着づらいです。何かよい方法は?」「衿納めがうまくできません」「繰越を多くとる傾向にありますが、浴衣の繰越はどれくらいにした方がよいでしょうか」など授業での疑問や質問を講師に矢継ぎ早に投げかけ、大変活気のある講習会となった。
最後に内藤副理事長が「和服は日本人の叡智が詰まった衣類です。今日聞いたことや覚えたことを、ぜひ生徒の皆さんに伝えてあげてください」と挨拶し、午後4時30分に講習会を終了した。
「なぜ、こうなるのか」ということがより理解できました。今まで疑問に思っていても書いてあるからということで済ましてきた事柄がわかりました。実習はプロの方のコツを教えていただきよかったです。2学期からの授業に早速実践したいと思います。
体格のよい生徒や胸囲のくびれがある生徒など、従来通りの寸法では作りにくいケースが増えて困っていましたので、寸法表はとてもありがたいです。運針、くけなどの基本がよく分かっていないので今後生徒と学んでいきたいと思います。
針の持ち方から指導していただき、大変うれしかったです。今まで何となく気にもせず縫っていた癖があり、今までが恥ずかしく思えます。昨年、毎日5分でもいいから運針をすることが大切ということを聞き、今年の春から生徒にやらせてみました。縫う長さやうまさが、本当にできるようになり、嬉しく思いました。今後とも頑張りたいと思います。
教科書とは色々違うところがあり、もっと美しく、もっと簡単に仕上げることができるとわかりました。1日では少なく、今後も行っていただきたいです。実技は大変楽しかったです。