お肉を上手に食べて、健康な体をつくりましょう。
1.からだに応じた食べ方が大切です。
健康維持に食事の果たす役割が大きいことは改めていうまでもありません。 バランスのよい食事を心がけることは、健康管理の第一歩です。 肉は赤ちゃんからお年寄りまで、いつでも誰でも食べられる栄養価の高い食品です。 しかし、ただ食べればよいというわけではなく、栄養価の高い肉でも、食べ方が悪ければ健康にとってはマイナスです。 肉に不足する栄養素は他の食品で補いながら食べるなど、からだに応じた食べ方の工夫が必要になってきます。
2.離乳期には、レバーから少しずつ赤身肉へ。
日本では離乳期というと白身魚から食べさせる人が多いようですが、欧米では魚よりも肉の方を早く食べさせる習慣があります。 消化の点では、脂肪分の少ない肉なら魚と大差はありません。
生後6ヶ月頃になりましたら、レバーを柔らかく煮て与えるとよいでしょう。 レバーは、栄養の宝庫ともいえる食品で、鉄分が豊富に含まれていますので、成長期には欠かせないものです。 新鮮なレバーを水でよく洗い血を抜き、熱湯で十分に茹でます。 筋や薄皮を取り、すり鉢でよくすって、うす味で仕上げたものを与えます。
レバー嫌いの人は意外に多いものですが、上手に調理すると食べやすくなるものです。 脂肪分の少ない赤身の肉は、生後7〜8ヶ月頃に与えるとよいでしょう。 赤身の薄切り肉を包丁で細かく砕いて調理するか、挽肉にして使いましょう。
3.歯がそろう前には、挽肉を。
幼児期の体の成長は、生後1年間に次いで盛んなときです。 からだの発育には、タンパク質を始めバランスの取れた栄養が必要になりますが、良質のタンパク質を豊富に含んだ肉は、成長盛んなこの時期に是非取りたい食品です。 歯がそろう前は、脂肪が少ない赤身肉の挽肉を使います。 代表的な用事向きの挽肉料理といえば、ハンバーグステーキ、ミートボール、メンチカツなどですが、必ず薄味に仕上げ、たっぷりの野菜、果物などを組み合わせるのが原則です。
食事の習慣は、ついてしまってからでは、なかなか直らないものです。 幼児期から習慣をつけることを心がけましょう。
4.タンパク質が最も必要な学童・青年期
この時期は、タンパク質が最も必要です。 10〜20歳時のタンパク質の摂取量は、多い時で成人の倍近くにもなります。 心身ともに正常著しいこの時期は、栄養の取り方ひとつで、子供の体力や思考力に大きな影響を与えるといえます。
そのためには、まず量より質の食事を、いいかえればタンパク質をはじめ脂肪やビタミン、ミネラルなどを欠かせないように気を配りましょう。 どんな肉料理にもたっぷりの野菜は欠かさず取り合わせて下さい
5.妊産婦には2人分の栄養を
妊産婦にとって、特に必要な栄養素は、タンパク質とカルシウムです。 タンパク質は肉をはじめ魚や大豆製品から取り、カルシウムは牛乳をはじめとする乳製品から主に取ります。 また、貧血になりやすいので、レバー料理も鉄分の補充には欠かせません。
人によっては食欲不振や胃腸障害になる人もいます。 消化がよく、さっぱりした味付けで食べやすくする工夫が大切です。
6.体重のバランスを取るために
太りすぎの場合も、やせすぎの場合も、体重調整にはきちんとした食生活が必要です。 基本となるのは、4つのグループの基礎栄養をバランスよく取り、その上でエネルギーを増減させるのが無理ない方法です。
やせるためにと肉や魚を一切食べない人もいますが、からだの組織を作り出すタンパク質は、不足すると貧血になりやすく、 どんどん消耗されていくものですから、毎日、肉などの食品で補給する必要があります。
7.糖尿には栄養のバランスと根気比べが大事
糖尿病の食事療法は、まず栄養のバランスが取れるよう、献立に配慮が必要です。 肉や魚、野菜や果物を多くし、穀物類や菓子類は控えめにします。 動脈硬化症の予防のため、動物性脂肪はなるべく控え、肉類は脂肪分の少ない肉、鶏ひな肉、牛と豚のレバー、牛や豚のもも肉、牛かた肉などを使います。
調理の仕方によっては、加熱することで脂肪分を減らすことが出来ます。 要は、根気のいる食事療法ですから、無理な食事制限はかえって長続きしません。 家族と一緒に美味しく食べる工夫が肝心です。
8.胃腸病には、柔らかな肉がおすすめです。
精神的な影響が大きい胃腸病の人には”美味しく食べられる”ことほど効果的なことはありません。
普通は、消化しやすく栄養価の高い食品が好まれますが、食欲不振の時など、柔らかい肉料理が1品あると、むしろ食欲がそそられることがあります。 一般的に肉類は、消化が悪いと思われがちですが、柔らかく脂肪の少ないヒレ肉などは、ドイツでは、お腹をこわした時に食べる習慣があるほどです。
特に胃潰瘍や十二指腸潰瘍の回復には効果的です。 また、胃の負担を軽くするために、1回の食事量は少なくして、むしろ食事回数を増やす方がよいでしょう。