中小企業のための環境 ISO ガイド

審査登録機関選定方法

1. 審査登録機関の種類

 審査登録機関を選ぶにあたって、まず知っておきたい1つとして審査登録機関の種類があります。

 最近は、日本国内の ISO 取得企業数がかなり増えたこと、また企業の環境問題への取り組みに対する消費者の目も厳しくなってきたことなどから取得企業のレベルが上がり、それに伴い審査登録機関もレベルの均一化がされてきているようです。しかし、一方では審査員による意見の違いや EMS 構築に対する視点の違いも見られ、そういう意味では審査登録機関により差があるという判断ができるでしょう。そうしたことを踏まえて、国内にある審査登録機関を大別するとまず、2つに分けられます。いわゆる外資系機関と国内資本の機関です。また、国内資本の機関は一般に次の3つに区別されているようです。

  1. 産業界・自治体が母体となり、出資をして設立された機関(新規ということではない)
  2. 試験所が母体となっている機関(1と重複するケースもある)
  3. 各種の教育研修など、啓蒙活動を行ってきた組織を母体とした機関

 この3つは、それぞれの機関による受審企業を見ると一目瞭然ですが、業種的に偏りが見られます。これは得手不得手というところでしょう。また、認定機関にも色があり、これも大きく分けると (公財)日本適合性認定協会(JAB)と海外の認定機関の2つに分けられます。一口に海外の認定機関といっても、イギリスなら UKAS、ドイツは TGA、オランダは RvA、アメリカは RAV というように各国に1つずつあり、それぞれに特徴がありますが、それについては一先ず置いておく事にしましょう。

2. 審査登録機関の選定

 さて、いよいよ審査登録機関の選定ですが、選定するのはあくまでも受審企業となりますのでどこに重要度を置くのか、つまり審査費用か、審査登録機関とのフィーリングか、審査登録機関の得意業種か、というのは企業自らの判断となります。また、そこで「受審企業と審査登録機関は対等」だということを再認識して判断することが、独自の EMS 構築への第1歩となるでしょう。

1. 選定基準

 選定基準は、さまざまな視点または角度からの判断をするためにいくつかの項目を設けた方が良いでしょう。そのなかには定量的に判断できるもの、定性的な判断となるものとありますが、参考となる項目を示すと、

  1. 審査金額
  2. 本審査の審査員数及び日数
  3. 審査登録機関とのフィーリング
  4. 審査員の数に対する正社員の割合
  5. その審査登録機関による認証取得企業とのヒアリング
  6. 同業種の審査経験の有無
  7. 総審査経験

などがあげられます。因みに、本会はこの7項目を基準としました。

 ここで、前述のとおり何を重要視するかということは受審企業の判断となりますが、1または6について大きな差が出ない、またはこだわらないのであれば、3と5を重要視することをお勧めします。

2. 選定までのステップ

step1 審査登録機関の調査

 インターネットや雑誌、講習会などを活用して審査登録機関の雰囲気や、それぞれに違いがあるということを確認します。また、その際自社の業界がよく活用している審査登録機関を抑えておく必要はあるでしょう。

step2 選定基準項目の決定と基準表の作成

 上記の項目を参考に、独自の基準表を作成しましょう。

step3 審査登録機関を3社から5社に絞る

 審査登録機関を選ぶ目安としては、

  1. 自社の業界団体を母体とした機関
  2. 同業種の審査経験の多い機関
  3. 同業者に評判の良い機関
  4. 外資系の機関

 2については、JAB のホームページに載っていますので参照してください。4については、本場の雰囲気や違いを味わうためにも是非入れることをお勧めします。

step4 基準項目の調査

 ここが一番重要なところです。今後、審査登録機関と対等な立場となれるかどうかも、ここでどれだけ相手を知るかに懸かっていると言っても過言ではないでしょう。そのかわりに時間はかかりますが…。

step5 基準表による評価

 多少恣意的になるところもあるでしょうが、できるだけ定量的・定性的に評価しましょう。

(step6 最終調整)

 最終的な判断を組織のトップがする場合は、推進部門では2社に絞るまでとして、トップがそれぞれの機関とヒアリングを行うという手段も有効ではないでしょうか。

step7 選定

 いよいよ決定です、取得後もサーベイランスでお付き合いをしていく機関となりますので、より良いパートナーを選びましょう。